【カカオとは?】品種や栄養、効果・効能を解説!
カカオといったら “ほろ苦いもの”というイメージを持っている方も多いはず。 実は、カカオは南国フルーツというのを知っていましたか? そのフルーツは果肉もあり、形状はラグビーボールで、カカオポットと呼ばれています。「フルーツの種の部分」を発酵・乾燥させることで、私たちの知っている一般的なカカオとなります。そこで、皆さんにカカオの万能さや魅力をここでご紹介したいと思います。
カカオとは?
アオイ科(旧アオギリ科)の常緑樹。その果実の種が「カカオ豆」と呼ばれお馴染みのチョコレートやショコラの原材料になります。テオブロマ・カカオ(Theobroma Cacao)という学名で 、ラテン語で《神様のたべもの》という意味を表しています。メキシコ・アステカ族の神話に由来しており、“カカオ”とは種の部分。赤道を挟んだ南北約20度の範囲に広がる「カカオベルト」と呼ばれる地帯でカカオは栽培されています。
カカオの取説
カカオは、平均気温27度以上で気温差が小さく、高温多湿の熱帯性気候と半日陰の環境を好み、寒さや直射日光、乾燥に弱い、とってもデリケートな植物です。
カカオの歴史と品種
カカオの起源は、紀元前1900年頃。
カカオ豆は、神への供物とされたり、貴重品だったため貨幣としても用いられたのだそう!
マヤやアステカでは、飲料だけではなかったようです。どれくらいの価値だったのか約600年前でいうと、
1520年頃→ ウサギ1羽がカカオ豆10個、奴隷1人がカカオ豆100個で取引(ニカラグアのニカラオ族)。
1545年頃→ 雌の七面鳥がカカオ豆100個、雄の七面鳥が200個、野ウサギが100個で取引(メキシコ)。
こうやってみるとカカオ豆は、当時は随分と高かったようですね。
1502年、コロンブスがカカオの種子をスペインへお持ち帰り。それから20年後くらいに カカオの利用法を知り、砂糖や香辛料を加えたショコラトルは上流階級に歓迎され、17世紀ココア飲料が大流行に。 生産が広まったのは20世紀入って、1980年の市場暴落後の30年で生産を伸ばしている。このことから、カカオから「チョコレート」として誕生したのは200年余りとなります。
ローフードが出始めたのが2000年ですから、ローチョコレートの歴史はまだまだ浅いのです。
カカオの種類
カカオの種類は3種類あります。
① クリオロ種
⚫︎ 果実:赤や黄色。表面にはイボや深い溝がある。
⚫︎ 豆:丸く苦味がすくないのが特徴。豆の内部は白い(または白っぽい)。
⚫︎ ポリフェノール含有量:3種の内で最小。
メキシコ南部からニカラグアに多く産する。豆の品質は良く、独特の香りから「フレーバービーンズ」とされる。病害虫に弱く栽滅。現在は、ベネズエラ、メキシコなどにごく少量生産されている。チョコレートのブレンド豆として貴重。クリオロとは植民地で生まれたスペイン人のこと。在来種の意。
② フォラステロ種
⚫︎ 果実:黄緑から成熟すると黄色になる。
⚫︎ 豆:偏平型で苦味が強いのが特色。紫色、苦味が強いがミルクチョコレートに向く。
⚫︎ ポリフェノール含有量:多い
南アメリカのアマゾン渓谷、オリノコ渓谷等が原産地。成長が早く耐病性に優れるなど栽培しやすい。主な品種に、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、ブラジルがあり、
これらはアマゾンフォラステロとよばれることがある。
フォラステロとは:「外国産の」、「よそ者」の意。トリニダード島のクリオロ種と思われる
カカオの潰滅後に同地にこの種が導入され、その際に初めてこう呼ばれた。
派生種としては、花の香りに特色を持つエクアドル(アリバ)がある。
③ トリニタリオ種
⚫︎ 果実:大きめ
ベネズエラ、トリニダッドや他の中南米地域で栽培され、ブレンド豆として、不可欠。トリニダッド島で交配されたクリオロ種とフォラステロ種の性質を受継いだハイブリッド種。栽培は容易で、良質な豆。
カカオに含まれる栄養素8選
カカオは、薬として使われていたこともあるほど体に良いとされる食べ物で、その理由は豊富な栄養素にあります。日本人の食事摂取基準では、生命維持に欠かせない必須ミネラルは13種類あるとされていますが、カカオマスには8種K、P、Cu、Fe、Zn、Mg、Ca、Mnのようなミネラルを豊富に含有しています。
『 カリウム 』
カリウムは、美容と健康に不可欠な栄養素であり、皮膚の健康維持や水分バランスの調整、血圧の正常化、ストレス軽減、筋肉の強化、体内のデトックスなどに重要な役割を果たします。特に、適切なカリウム摂取は、肌の保湿や弾力性維持に貢献し、血圧をコントロールして心臓や血管の健康を保ち、ストレスの軽減や筋肉の正常な収縮をサポートし、余分な水分や毒素の排出を促進することで、全体的な美しさと健康を促進します。
『 リン 』
リンは、骨や歯の形成に不可欠なミネラルであり、細胞のエネルギー生産や遺伝子の構造にも関与します。また、リンは細胞膜の構成要素としても重要であり、酸塩基バランスを調整し、体内の代謝プロセスをサポートします。適切なリン摂取は、骨の強化や歯の健康、細胞機能の維持、エネルギー生産の促進に役立ち、全体的な健康と美容に貢献します。
『 銅 』
銅は、体内での酵素活性化や鉄の代謝、結合組織や神経系の形成に不可欠な栄養素であり、肌の弾力性や色素沈着の調整、髪の健康維持、免疫機能の向上に寄与します。また、銅は抗酸化作用を持ち、活性酸素から体を守る役割も果たします。適切な銅摂取は、美しい肌や髪、健康な神経系、免疫系の維持に重要であり、美容と健康の両面で重要な栄養素です。
『 カルシウム 』
カルシウムは、骨や歯の形成や維持に不可欠なミネラルであり、筋肉の収縮や神経の伝達、血液凝固などの生理機能にも重要です。適切なカルシウム摂取は、骨密度の維持や骨折リスクの低下、歯の強化に貢献します。また、カルシウムは細胞の機能維持や心臓の健康、血圧の調整にも関与し、美しい肌や健康な体を維持する上で欠かせない栄養素です。
『 マグネシウム 』
マグネシウムは骨や歯の構成成分として、リンやカルシウムとともに骨を形成するという役割があるほか、筋肉や脳、神経などにも存在し、筋肉収縮や神経伝達、血圧や体温の調節などに関わっています。また、マグネシウムは数多くの酵素を活性化させる作用もあるため、体内の重要なはたらきを担う、欠かすことのできない栄養素です。
『 鉄 』
鉄のメインの仕事は血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料となり、身体中に酸素を運ぶこと。鉄が不足すると貧血になるリスクや集中力の低下、頭痛、倦怠感が抜けなかったり、めまい、月経不順などの症状に繋がることもあります。
『 亜鉛 』
亜鉛は体内に存在する酵素の構成成分として活躍するほか、タンパク質の合成にも関わっています。亜鉛が不足すると、味覚障害や抜け毛、肌荒れなどの症状が出ることがあります。
他にもカカオにはフィトケミカルという有効成分も。さらに、カカオの苦味や香りのもとになり、リラックス効果もあるというテオブロミンや、抗酸化作用のあるカカオポリフェノール、そして腸内環境を改善するのを助けるカカオプロテインなど、様々な栄養素が含まれています。
『 マンガン 』
マンガンは、酵素の活性化や抗酸化作用、脂質および糖の代謝に関与し、骨の形成や結合組織の維持にも重要な役割を果たします。特に、マンガンはコラーゲンの生成を促進し、皮膚や軟骨、関節の健康をサポートします。また、マンガンはエネルギー生産に必要な酵素の一部であり、神経系や免疫系の正常な機能を維持するのにも役立ちます。適切なマンガン摂取は、美しい肌や健康な結合組織の維持に貢献し、全体的な健康と美容を促進します。
*** 日本人の食事摂取基準 ***
体を適切に機能するための必要なミネラル13種類。その中でも8種類がカカオには含まれています。カカオマス(ガーナ2005年産)の実測値を示しており、すべてカカオマス100 g当たりの含有量です。
5種の多量ミネラル(1日に必要とされる摂取量が100 mg以上)
⚫︎ナトリウム(Na)
⚫︎カリウム(K)
⚫︎カルシウム(Ca)
⚫︎マグネシウム(Mg)
⚫︎リン(P)
8種の微量ミネラル(1日に必要とされる摂取量が100 mg未満)
⚫︎鉄(Fe)、
⚫︎亜鉛(Zn)
⚫︎銅(Cu)
マンガン(Mn)、
ヨウ素(I)
セレニウム(Se)
クロム(Cr)
モリブデン(Mo)
カカオの健康・効果6つ
上記のことから、カカオは含まれている栄養素や有効成分の働きにより、たくさんの健康効果が期待されています。
動脈硬化の予防
動脈硬化を引き起こす原因の一つとして、体内に生じる活性酸素によって悪玉コレステロールが酸化することが挙げられます。カカオに含まれるカカオポリフェノールは、強い抗酸化作用を持つため、悪玉コレステロールが酸化されることを防ぎ、その結果動脈硬化を予防する効能があるといわれています。またカカオポリフェノールは、血液をサラサラにしたり、血管のしなやかさを向上させたりするのに加え、善玉コレステロールを増やす働きも確認され、動脈硬化の予防に良い効果が期待できます。
アレルギーの予防
アレルギーの発症には、過剰に作られた活性酸素が関わっているといわれています。カカオに含まれる抗酸化作用のあるカカオポリフェノールは、活性酸素が発生すること自体を抑え、アレルギーの予防や軽減に繋がります。またカカオポリフェノールは、アレルゲンに対して抗体が作られるのを防いだり、炎症やアレルギー反応に関与するヒスタミンの放出を抑えたりします。これに加えて、アレルギー疾患における炎症の一因にもなる好酸球の働きも抑えることができ、アレルギー症状の抑制や緩和に効果的です。
肌トラブルの予防
ここまでで何度か登場している活性酸素は、肌のエイジングに繋がるトラブルも引き起こすといわれています。カカオポリフェノールは抗酸化作用によって活性酸素の働きを抑え、肌荒れや、シミ、しわ、たるみなどの老化による肌トラブルを予防。またカカオに含まれる亜鉛も、健康的な肌作りをサポートします。
腸内環境を整える
カカオに含まれるカカオプロテインは消化されにくい性質を持っていて、食物繊維のような働きをします。小腸では消化吸収されずに、そのまま大腸まで届いて便を柔らかくし、便通をスムーズにしてくれる効能があります。また、カカオプロテインは腸内の善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やすのにも貢献。これは、腸のぜん動運動を促して粘膜細胞を増殖させ、腸の免疫力を高めることにも繋がります。
集中力を高める
カカオに含まれるテオブロミンには、カフェインに似た中枢神経を刺激する働きがあり、集中力や記憶力、思考力を高める効果があるといわれています。ただし、カフェインのような覚醒作用はなく、自律神経のバランスを整えて緊張を和らげる効果が期待できます。「コーヒーを飲むと集中力は上がるけど、なんだか心臓がドキドキする」という人にはココアがおすすめです。さらにテオブロミンは別名“幸せホルモン”ともいわれるセロトニンの働きを助長し、脳の活性化を促す効果をもつとされています。
気分が高まり、活力が湧いてくる
チョコレートの原料カカオに含まれるPEA(β-フェニルエチルアミン)は、「恋愛ホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質です。恋愛をしたときなどに分泌され、幸福感をもたらす働きがあります。PEAはカカオ豆の皮に含まれいて、カカオ豆の胚乳部分を醗酵させた後、殺菌処理したあとチップ状に粉砕したものが「カカオニブ」になります。カカオニブとは、チョコレートなどに加工される前の段階のカカオのことを指します。カカオニブをさらに細かくすりつぶして液状にしたものを「カカオマス」といい、これがチョコレートやココアの原料となります。
まとめ:
カカオを食べて様々な美容効果を!
カカオには美容に優れた効果が数多くあります。豊富な抗酸化物質は、肌の老化を防ぐ役割を果たし、シミやしわの形成を抑制、肌のハリと弾力を保ちます。さらにストレスを軽減する効果があり、ストレスが原因で起こる肌荒れや炎症を和らげます。カカオバターを肌になじませると保湿効果が高く、乾燥肌や粉ふきを防ぎ、肌をしっとりと潤いで満たしてくれます。血行を促進、肌細胞に酸素や栄養素が適切に供給され、健康的な肌に導いてくれます。カカオに含まれる「セロトニン」や「エンドルフィン」などの神経伝達物質は、わたしたちに幸福感をもたらし、ストレスを軽減するだけでなく、心身のリラックス効果も期待。肌のコンディションを改善します。総合すると、カカオは肌の健康と美しさをサポートするための優れた成分であり、充実した日々をサポートする優れものです。極的に摂取することで内側からの美容効果を実感してくださいね!
杉山和久 他 薬理と治療 2017 カカオ由来リグニンによる便通および便臭改善の検証試験
中村尚夫「ココア処理素材のラットへの生理効果」 第5回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(1999)
中村尚夫「ココア食物繊維の胃環境への影響」 第6回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(2000)
坂上 宏「カカオリグニン成分の生理活性評価に関する研究」 第12回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(2007)
坂上 宏「カカオ豆由来リグニン配糖体の新たな活性を求めて」 第15回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(2010)